夏の林間フリーサイトで、ハンモックに宿泊するキャンパーさんを見かけて、その涼しそうな主寝室を羨ましく感じたこと、ありませんか?!
特に、少ない荷物で最大の快適性を求めるようなキャンパーさんには、ハンモックがお似合いですね。
そのような宿泊型ハンモックは、一見どれも同じようにみえますが、実はメーカーやモデルによって構造の違いがあり、設置に必要となるアイテムも、それぞれで違ってきます。
KammokやENOなど、カラフルでお洒落なハンモックも増えてきた今だからこそ、構造の違いなどを知った上で選びたい!ということで、ミニ辞書風に、ハンモックについてまとめてみました。
ハンモックの各部位の名前(呼び方)
最初に、宿泊型ハンモックの、部位ごとの名称をまとめてみます。
①ハンモック(本体)
多くのハンモックの本体は、軽くて強く、防水性がある素材が使われています。
②蚊帳
<ほかの呼び方>
- バグネット(Bug net)
- モスキートネット(Mosquito net)
春から秋にかけての、虫の攻撃から身を守るために、蚊帳があると便利です。
ハンモックと一体になっているものが主流ですが、ハンモックをまるごと覆うタイプの汎用構造のものもあります。
私は蚊帳が一体になっているハンモックを使っていますが、ハチなどにハンモック生地を突き破って攻撃される危険を回避するために、まるごと覆う蚊帳も併用することがあります。
③リッジライン(Ridgeline)
ハンモックの種類によって有無が分かれますが、蚊帳が一体になっているハンモックであれば、リッジラインが採用されているものが多いです。
リッジラインの直訳は「稜線」ですが、ハンモック用語として、あえて日本語にするなら、
- 補助ロープ
- 水平コード
- 角度調節ライン
といった名称が候補でしょうか?
リッジラインは、蚊帳やフライを支えたり、木の間隔に関係なくハンモックの居住性を整えるために使われます。
特に木の間隔が中途半端で、リッジラインが付属しないハンモックの中で体がまっすぐになりづらい場合などでも、パラコードを使ってDIYで簡単に追加できるので、いつでも同じ快適角度でハンモックを設置したいと感じるような場合には、ぜひお試しください!
④フライ (Fly)
<ほかの呼び方>
- タープ (Tarp)
上の写真のように、ハンモックに付属しているものもありますが、別売りになっていることが多いです。
雨や雪、そして落ち葉などからハンモックと自分を守るために、ハンモックの上側に設置します。
プライバシーの確保にも有効ですね!
ハンモックをすっぽりと覆ってしまうような大きなものは、シェルター(Shelter)とも呼ばれます。
4m四方の正方形タープでも、シェルターのような使い方ができます。
⑤サスペンション(Suspension)
ハンモックを左右から引っ張って、空中で体重を支えてくれる、たいへん重要な部位なので、メーカー各社で違ったり、個々のキャンパーさんの個性も現れます。
<主な素材>
- ロープ(Rope)
- ストラップ(Strap)
- スリング(Sling)
装備の軽量化を目指す場合は、細くて軽量なのに強度があり、また長さ調節も簡単な
- ウーピースリング(Whoopie sling)
を使う場合もあります。
ハンモックの種類
蚊帳が一体になっているかどうかは見た目でわかりやすいですが、ハンモックを選ぶ時に見落としがちなのが、サスペンションの一体/別体構造です。
おおまかなメーカー別の構造を紹介してみますが、同一メーカーでも一体/別体の種類があったりするので、参考程度にしてくださいね。
これらのタイプは、ハンモックからコードが伸びているので、固定点にコードを接続すれば、設置完了となります。
長さ調節の自由度があるサスペンションなどのアイテムを併用すると、こちらのタイプの方が、少ない装備で楽に設置できる可能性があります。
ただし、毎回違う状況によっては設置が難しいこともあるのは、サスペンションが一体でも別体でも同じです。
どちらにしても、様々な状況に応用ができて、使いやすいアイテムを、ハンモックと併せて持っていきたいですね!
ハンモックの設置に必要なアイテム
快適なハンモックキャンプのために、便利アイテムをさらに準備しておきましょう!
ツリーストラップ
<ほかの呼び方>
一晩お世話になる木は、愛情と敬意を持って接したいですよね〜
細いロープ状のもので体重を預けると、樹皮などを痛めてしまうので、ツリーストラップで木を保護しながら、ハンモックを吊ります。
デイジーチェーンのような、アンカーポイントが多いストラップを使うと、ハンモックの高さや角度調整も楽になって、一石二鳥です。
登山グレードのカラビナ
ハンモックによっては付属しているものもありますが、好みの色や形を選んでみてもいいですね!
ハンモックの構造によって異なりますが、これまで紹介してきた各部位やアイテムの接続に使います。
- ハンモック x サスペンション
- サスペンション x ツリーストラップ
- ハンモック x ツリーストラップ(直結する場合)
ロープワークの技術だけを使って、これらを結合することもできますが、ロッククライミング用品などの、しっかりと体重を受け止められる器具も使った方が楽に接続できます。
一般的には、登山用のカラビナ を使うことが多いですが、基本のロープワークも数種類知っておくと、いろいろな状況で応用がききます。
番外編 さらに便利なアイテムたち
絶対に必要!というわけではありませんが、便利アイテムの紹介です。
アンカーリング
<ほかの呼び方>
- 垂直下降リング
- ラペルリング
- ディセンダーリング
どれが最も一般的な呼び方かわからないくらい、いろいろな呼び方がありますが、サスペンションとの結合部に、登山用品のリングを使います。
同じ大きさのリングを2個使って、サスペンションコードの長さを、無段階かつ簡単に調整できるアイテムです。
ハンモックの高さを調節するためには、コードの長さを変えることになりますが、その際に結び目を緩めて結び直したりすることがなくなるので、一度使うと手放せません!
詳しい使い方は、こちらの記事で紹介しています。
スネークスキン
<ほかの呼び方>
最後に紹介するのは、ハンモックの撤収が、たいへん楽になるアイテムです。
名前のとおり、脱皮した蛇の皮のようなのな構造で、ハンモックを設置している時はサスペンションコード上でシワシワにしておいて、撤収時には、スルスルとハンモックを包んでしまいます。
設営中のスネークスキンの状態は、この記事の一番上の写真がわかりやすいです。
ハンモックキャンプを楽しみましょう!
ハンモックでキャンプを楽しむための、基本的なアイテムを紹介してきました。
達人の域に達してくると、結合器具の超軽量コンパクト化にもこだわりたくなり、ウーピースリングなどの細いコードとあわせて、ダッチウェア(Dutchware)社のバックルやクリップなどを使いたくなったりもするようです。
興味がある方は、英語ですがDutchware社のホームページhttps://dutchwaregear.com/を訪問してみてくださいね。
とはいえ、普通にハンモックを使うだけでも、一般的なドームテントより軽量コンパクトになるのは間違いありません。
ハンモックを持参して、文字通り手軽にキャンプを楽しみましょう!