昼と夜の寒暖差が激しい5月末に、長野県のキャンプ場に行ってきました。
山間部では珍しくない、激しい夕立が降るかもしれない天気予報だったので、雨でも過ごしやすく、また撤収しやすい装備でのぞみたいところです。
そこで、テントを主体にした装備よりもコンパクトになる、ハンモックとタープの組み合わせで、快適なキャンプ泊を楽しんでみます!
ハンモックで泊まれるキャンプ場
今回初めてお世話になったのは、長野県阿南町の山中にあるキャンプ場です。
隠れ家的な、家族経営のこじんまりとしたキャンプ場ですが、水まわりなどが綺麗に管理されていて、ソロや少人数で静かにキャンプするのにちょうどよく、快適にすごせるサイトです。
事前情報で、ハンモックが吊れる間隔の木が数カ所あることが判っていたので、予備のテントは準備せずにハンモックだけを持ってキャンプ場に向かいました。
5月とは思えない暑い日です
5月終盤のこの日は、愛知県の市街地では最高気温が30度を超え、この先の真夏の猛暑が心配になります。
それでも、清流と並走する道を、標高1,000mにせまる場所にあるキャンプ場に近づくにつれて、徐々に涼しさを感じるようになってきました。
キャンプ場に到着して、冷たく澄んだ川の水に足を入れると、少し汗ばんだ体がすぐに清涼感で満たされます。
日差しは強いものの、川からの涼しい風で日中でもちょうどいい気温に感じられます。
ハンモック型テントを設置します
キャンプ場に来るまでの移動の疲れを、川の涼しさで癒したところで、突然の雨に降られる前に、ハンモックの設置作業を開始します。
短時間で設置できて、しゃがむ作業も少ないハンモックは、これからの暑くなる季節のキャンプ設営や撤収においても、もともと持っている涼しさの優位性と合わせて、大きなアドバンテージとなります。
今回の設置手順を、写真も使いながら紹介してみます。
最初に、ちょうどいい木を探します
今回使うハンモックはヘネシー製のものですが、DDハンモックやENOのものでもほとんど同じ間隔の木が必要になります。
私の設置方法の場合、その木の間隔は8歩から10歩がベストです。
今回は、8歩間隔の木を使わせていただきます。
木にストラップを巻いて、ラッペルリングとカラビナを装着
どんな物でも、作業を簡単便利にしてくれるグッズは、使っていて満足感を得られます。
私がハンモックキャンプで楽しく使っているのは、
- ハンモック用のストラップ2本のセット
- 登山用のO型アルミカラビナ2個
- 同じく登山用のアルミのリング(ラッペルリング)4個
です。
ハンモックの設置や調整が、格段に簡単にできる組み合わせで、設置後は上の写真のようになります。
カラビナとラッペルリングの組み合わせがプロっぽい雰囲気を醸し出していて、その強度から得られる安心感もあり、お気に入りです。
クライミングなどをしない方には聞きなれないラッペルリングですが、ハンモックを設営する際の使い方は、別の記事で詳しく紹介しています。
ハンモックのコードをラッペルリングに通して空中設営
ヘネシーハンモックは、ハンモックの両端末のコードが一体になっています。
そのため、さきほど設置したラッペルリング2個にコードを1回転半通すやり方で、ハンモックの高さや水平度を苦労せずに調節できます。
ハンモック本体はスネークスキンというカバーに格納しているので、木に吊った直後は下の写真のような状態です。
DDハンモックなどの、コードが別体のハンモックでは、木に巻いたストラップにハンモックを直接装着することになります。
そのようなハンモックの場合、海外のハンモッカーたちが愛用するウーピースリングを使うと、簡単に調整できて便利です。
パラコードを上空に張ります
ハンモック用のストラップを使うメリットを活かして、ハンモックの上空にパラコードを張ります。
ストラップの、なるべく木の近くにある輪を使って、ハンモックよりも高い位置にタープのリッジラインをつくります。
体重がかかる部位ではないので、使用するカラビナは登山用のものでなくても大丈夫です。
4mのタープで全天候型に
最後にタープを設置します。
先程設置したパラコードにタープをかけて、パラコード上や地面のペグに固定すれば設営完了です。
作業に慣れれば、専用ポールを使うテントに比べて、短時間でここまでたどり着けます。
この日の天気予報はおおむね晴れですが、夕立ちに降られる可能性もあります。
雨でもハンモック周辺が濡れないように、大きめサイズのDDハンモックの 4m x 4mタープを使いました。
タープの下に、ハンモックを覆うのに充分なスペースを作れるので、そこに荷物を置くことができる上、突然の雨でもタープの下で快適にすごせます。
タープの下での荷物保管ですが、防水バックを使えば横風で雨が降り込んでも荷物は濡れず、虫もシャットアウトできるので、重宝しています。
テントと違ってハンモック内には大きな荷物が入らないので、タープの下で使う防水ケースや防水バックが便利です。
それではキャンプを楽しみましょう!
ハンモックとテントの設営が終わったところで、キャンプのメインイベント開始です。
今回はお子様にも参加いただき、年の差が最大で40歳くらいですが、年齢に関係なく食事中の会話が弾みます。キャンプって素晴らしい!
結局のところは、雨には降られないまま夜を迎え、音が出ない花火も楽しめました。
星空を見たりしながら、あっという間に時間が過ぎていき、夜9時をすぎたころのお子様達が就寝するタイミングで、私も睡魔に襲われてハンモックに潜りこみました。
快適ハンモック泊で、気持ちのいい朝
夜は気温が10度ほどまで下がり、昼と同じ服装ではいられないほど肌寒く感じました。
ハンモックは熱が下からも逃げるので、真夏にはテントよりも格段に涼しくて快適です。
零度近くまで冷え込む真冬の場合は、ハンモックの下にアンダーキルトを設置しますが、今回は冬用の寝袋をハンモック内で使うだけで、朝まで寒さを感じる事なく熟睡できました。
また、ドーム型テントは朝に内側で結露していたようですが、空気の通りが良いハンモックは全く結露していませんでした。
日中は5月にしては異例の暑さでしたが、真夏になってさらに蒸し暑くなってくると、ハンモック泊がますます快適になってきます。
真夏のキャンプで、テント内が暑くて寝苦しく感じる場合には、ハンモック泊も試してみられてはいかがでしょうか。