空中浮遊のハンモック泊、快適に寝られて楽しいですね!
ハンモック泊で気になるのが、脱いだ靴の保管方法です。
荷物を空中保管できる、子ガメのようなハンモックであれば、DDハンモック社からギアスリングが入手できます。
しかし、場合によっては泥だらけの靴を、ハンモック生地に入れるのは気が引けます。
そこで、ハンモック内から操作して、地面を歩く虫がアクセスできない空中に靴を保管する方法を考えてみました。
ハンモック泊での荷物の保管
ハンモック泊の場合、中に収納スペースがあるテントと違い、荷物はハンモックの外に置いておくことになります。
私は、防水バックやトランクカーゴ(コンテナボックス)に調理器具などを入れて密封し、上空がタープに覆われている地上に置いて、夜を過ごしています。
しかし、ハンモックに入る直前に脱ぎ捨てることになる靴だけは、タープの下なので雨露が直接あたらないとはいえ、アリなどの虫がいる地上に置いていました。
靴を空中に保管するには?
ハンモックの中から、地上の靴に手を伸ばす体勢をとるのは難しいので、いつも最初に足から出て、もぞもぞと靴を履いています。
しかし、ハンモックから出る時に、虫が入っている靴に足を踏み入れたくはありません!
さらに、お気に入りの靴の場合は、無防備に置いておくのも気が引けるので、脱いだ靴を空中で保管する方法を考えてみます。
道具を使わない方法
靴紐付きの靴の場合、左右の靴の紐を結んで連結し、ハンモックのリッジライン(稜線)に掛けておく方法があります。
ハンモックに入る時の一連の作業は、
- ハンモックに座る(お尻だけ入っている状態)
- 靴を脱ぐ
- 左右の靴を連結する
- 靴をハンモック上のリッジラインにかける
- ハンモック内に入る(寝そべる)
となり、ハンモックから出る時は、この逆です。
靴をハンモックのリッジラインに掛けておく方法は、柔軟運動のように体をひねったりする動きが必要で、ただでさえ体が固い私には辛い上に、ゆらゆらと揺れるハンモックに座った状態では、やりづらいのが欠点です。
パラコードで工夫してみます
ハンモック内ですごす間、靴が少しだけ地面から離れて空中に浮いていればいいので、ハンモックの下にぶら下げる仕組みを考えてみました。
ハンモック泊用の空中シューズキーパーの自作
用意するもの
パラコード(パラシュート コード)
パラコードは、細くて丈夫なナイロンかポリエステル製のロープで、多くは30mの長さで販売されています。
ハンモック用シューズキーパーに使うのは合計で9mくらいですが、お手頃価格で入手できて、キャンプにおいて他の用途でも使えるので、色の種類が豊富な30mのものから選択しました。
ハサミやカッターナイフで必要な長さに切断して、切断面は火で炙って軽く溶かして、ほつれ防止をします。
今回は、
- 約7mの長いものを1本
- 約50cmを1本
- 約40cmを2本
の合計4本に切断します。
紹介する画像で黄色のパラコードを使っている約7mのものは、ハンモックの長さと設置高さに合わせて長さを決めます。
3本の短いものの長さも、使っていくうちに長さを調整するかもしれません。
制作紹介では、区別しやすいように2色のパラコードを使っていて、50cmのものはガイライン用ロープ(橙色)も使ってみました。
カラビナ5個
長いパラコードを通す滑車の役割などで、カラビナを3個使います。
靴を引っ掛けるためにもカラビナ2個を使うので、合計5個を準備します。
体重をかける使用目的ではないので、100円ショップで売っているようなアクセサリーカラビナを使います。
登山用の物も、もちろん使えます。ハードユースな本物嗜好の方はこちらですね!
今回は、ハンモック本体を吊るすために使っています。
コードストッパー
ハンモック内からパラコードを引っ張ると、靴が空中浮遊を始める仕組みにします。
パラコードを引っ張った状態で固定するために、コードストッパーを1個使います。
ハンモックに合わせながら作ります
ロープワーク(結び方)
基本的なロープワークを使って、空中シューズキーパーを作っていきます。
今回使う3種類の結び方は、別の記事(の後半)で画像を使って紹介していますので、よろしければ参考にしてみてください。
フィッシャーマンズノット
約40cmに切ったパラコードは、フィッシャーマンズノットで輪にします。
ボーライン(もやい結び)
長いパラコードには、コードストッパーを通しておいて、両端末にはボーラインで小さい輪をつくります。
約50cmに切ったパラコード(今回はガイライン)も両端末に大小の輪をつくります。
プルージック
フィッシャーマンズノットでつくった輪と、約50cmのパラコードの大きな輪は、プルージックでハンモックに取り付けます。
ハンモックへの装着
空中シューズキーパーの本体となる黄色のパラコードを、カラビナを使ってハンモックに取り付けていきます。
パラコードの端末をハンモックの片方の隅(紹介写真では右側)に取り付けて、ハンモックの反対側(左側)はカラビナに通していきます。
黄色のパラコードのもう一端は、ハンモックのリッジライン中央付近に、調整可能な状態で取り付けます。
先に通しておいたコードストッパーは、ハンモックの中から簡単に調整するためのものです。
約50cmに切ったパラコード(橙色のガイライン用ロープで代用)は、フィッシャーマンズノットで輪にするだけでも使えます。
今回は、カラビナを使わなくてもコードストッパーだけで止めることができるように、両端末に輪がある形にしてみました。
靴を吊り下げるためのカラビナもつけて、完成状態は下の写真のようになります。
空中シューズキーパーの使い方
それでは、実際に使ってみます。
所有しているなかで一番重い靴で試してみたかったので、使いこんでいて見苦しいワークブーツですがご了承ください。
最初に、ハンモックに背を向けた状態で、カラビナに靴紐を通します。
そのまま靴を脱ぎながら、ハンモックに入ります。
ハンモックに寝転がった状態で、黄色のパラコードを引っ張り、靴が空中浮遊を始めたらコードストッパーでパラコードを固定して、作業終了です。
比較的に重い靴ですが、空中浮遊させるのに、苦になるほどの力は不要でした。
浮遊位置は確実にハンモックの下側になるので、ハンモック上にタープを設置していれば、雨や露からも守られます。
ハンモックから出る時には、コードストッパーを緩めるだけで、玄関に揃えて置かれた靴のような状態で着地します。
これまでハンモックから出る時には、虫に怯えながら靴に足を入れていましたが、パラコードとカラビナを使ったシューズキーパーで、就寝中だけでなくハンモックから出る時も快適になりました。
お気に入りの靴でハンモックキャンプされる場合にもオススメの、空中シューズキーパーです。
DDハンモックの荷物用ハンモック(ギアスリング)
記事の冒頭で紹介した、子ガメのような荷物用のハンモックは、DDハンモック社のギアスリングです。
キャンプでのハンモック泊を見かけることが増えてきた日本でも、この荷物用ハンモックは、まだあまり見かけません。
コンパクトに持ち運べるので、地上に荷物を置きたくない場合にそなえて、持っておきたいアイテムです。