冬のキャンプなどのアウトドアで、しっかりと防寒対策の服装をしたつもりでも、手足の先など体の一部が冷たく感じたために、結局は寒さに震えていたという事があります。
焚き火にあたっていても、背中が寒かったりと、体全体を暖めるのは難しいことが多いです。
そこで、体の一部をピンポイントで暖めることができるカイロを導入して、冬のアウトドアを快適にしてみます。
使い捨てカイロについて考えてみる
コンビニ などがあれば、どこでも入手できる使い捨てカイロ、寒くて寝られなさそうな時のために、キャンプにいつも持っていくポーチに常備しています。
緊急時の保険として一つ持っておくと心強い使い捨てカイロですが、温度調節が難しいので、期待していたほど暖かくならないことがあります。
また、温度の持続性にムラがあり、熱くなったと思ったら、その後温度が下がることも。
いつも使いたいものとしては、少し使いづらい点があります。
繰り返し利用できるカイロを比較します!
使い捨てカイロに比べると決まった温度を持続しやすい、再利用可能なカイロを比較してみます。
再利用できるカイロの種類は、大きく分けると電池式のものと、昔からあるベンジンを使うカイロの2つに分けられます。
さらに、4つの代表的なものに分けてみました。
カイロ | カイロの種類、 商品 |
電池(オイル)容量 |
単3電池(2本) | エネループ 1900mAh2本など |
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リチウム電池 タイプ |
5200mAh 7800mAh 10000mAH |
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Zippo ハンディ ウォーマー |
Zippoオイル 20cc |
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ハクキン カイロ |
べンジン ミニ;19cc スタンダード;25cc |
最初に、昔ながらのハクキンカイロの発熱メカニズムを少し紹介してから、4種類のカイロの持続時間などについて、その差を定量的に考察してみます。
ハクキンカイロが熱い!
キャンパーの間で、昔からあるハクキンカイロが注目されています。良いものは時代を超えて使われるってことですね~
サイズにもよりますが長時間持続して、温度も安定しているので、適温の状態を作りやすく、寝袋内で使うのも簡単です。
ちなみにハクキンカイロを使う時には、ベンジンを注油してから、火口をライターなどで炙りますが、ベンジンを燃やす目的ではありません。
火口のプラチナ触媒は温度が上がると、気化したベンジンを炭酸ガスと水に分解します。
その時に発生する酸化熱がカイロの熱源となっているのですが、化学反応の最初のきっかけを作るために、ライターなどで火口の温度を上げています。
炎を伴う燃焼とは異なりますが、とはいえ使い捨てカイロとは比べものにならない熱量を発生させるので、火傷しないような注意が必要となります。
そんなハクキンカイロは、後ほど比較表でもそのメリットを一目瞭然にしますが、
- 長時間継続する、
- 熱いくらいの暖かさが欲しくて、
- ベンジンを入れる儀式が気にならならず、どちらかというと好き!
という方たちに、冬のキャンプで重宝されています。
カイロの比較一覧表
それでは、主な電池式とベンジン式のカイロを、一覧表で比べてみます。
使用可能時間を見比べてみると、ハクキンカイロやジッポーハンディーウォーマーの優位性が際立っています。
発生熱量も、ポケットなどに入れて使う場合に50℃以上を保つには充分なものなので、長い時間しっかりと暖まりたい場合には、ベンジンを使うカイロの一択です。
一方で、サンヨーのエネループカイロ(eneloop kairo)は、リチウムイオン電池を内蔵したものもありますが、あえてニッケル水素電池を使うものをチョイスしてみました。
人里離れた場所や非常時など、充電できない環境にも対応したい場合は、普通の単3乾電池も使えるSANYOのeneloop kairoが便利です。
他のタイプに比べて、大きさ(サイズ)も小さいので、登山などの荷物を減らしたい場合にも、有効ですね!
リチウム電池充電式カイロを試してみます
ハクキンカイロほどの持続性はありませんが、バッテリー技術の進化で、リチウム電池を使う充電式カイロも、その存在感を強めています。
ハクキンカイロには無いメリットとしては、
- ベンジンを管理する手間がなく、
- 温度調節が簡単にできる
ことが挙げられます。
中には10000mAhのバッテリーを搭載して、約12時間にわたり連続使用できるものもありますが、今回は5200mAhのものを入手して、その実力を試してみることにしました。
- 12月の屋外で、
- フル充電から使い始めて、
- 上着の下で、肌着の上からお腹のあたりに密着
の状態で長時間連続で使ってみたら、良い方向に期待を裏切られました!
LOWモードでも充分暖かい
だいたいの充電式カイロは、40℃から55℃くらいの間で、数段階で温度設定できます。
先ほどの比較一覧表では、この範囲をLOW〜MIDとしておきました。
さらには、火傷への注意喚起付きで60℃くらいまで設定できるものもあります。
私の入手したものも、3段階で温度設定できますが、実際に肌着の上から体に密着させてみると、LOWモードでも充分に暖まれます。
意外に電池が長持ち
多くのメーカーが参入しているので、いろいろな種類の充電式カイロが選べますが、それらの使用可能時間は、同じ電池容量のものでものカタログ値が大きく異なっていたりします。
実はこれ、各社で測定方法が異なっているためのようです。
使用可能時間は、内蔵回路によるサーモスタットで、熱くなりすぎないように出力を抑えている時間をどれだけ作れるか?で異なってきます。
実際に使ってみて、熱くなりすぎると自動で温度が低くなる時間がしばらくあったので、「なるほど!」と理解しました。
LOWモードで、外部の冷気に直接触れない上着の中での使用だと、サーモスタットで休ませられる時間が長かった為か、カタログスペックの6時間よりも長く使い続けることができました。
モバイルバッテリー同様に、2A充電器があると便利
モバイルバッテリーも同じですが、2Aの充電器があると便利です。
例えば10000mAhの充電式カイロの場合、パソコンのUSB出力のような1A(=1000mA)で充電すると、計算上は、
10000(mAh)÷1000(mA)=10(h)
となり、充電に10時間かかることになります。
実際には、電池残量が全くのゼロにはならないので、その8割くらいですが、それでも2A出力のバッテリー充電器を使う方が、急いで充電したい時には便利です。
とはいえ、充電式カイロに10000mAhの容量があれば、LOWモードで約12時間使えるので、日中は外出先で使って、夜に家で充電しておけば、使用途中での電池切れを心配せず普段使いできますね!