たぬきで有名な信楽焼の陶芸体験ができる、奥田忠左衛門「信楽陶芸村」に行ってきました。
一か月前から手ひねりの陶芸体験をする事を決めていたので、この機会にキャンプで便利に使える器を作ろう!と考えていました。
とはいえ初めての体験で、どのレベルまで自分で作れるのかもわからず、いろいろな案が錯綜しました。
当日まで悩んで決めたコンセプトと、陶芸体験の様子を紹介いたします。
キャンプで使う陶器
通常は軽さとコンパクト収納を追い求めて選んでいるキャンプ用品ですが、今回は軽さは追及しないことにします。
また、キャンプでいつもは使うのは、味気ない金属色の食器ばかりです。
そろそろ嗜好を変えて色彩がある陶器の器で、しかもコンパクト収納できる、キャンプに持っていきたくなるものを作ります。
陶芸作品の大きさ
手ひねりは、手動のろくろを使います。正確に測っていませんが直径15cmくらいの回転台の上で作り上げます。
愛用の丸形はんごうの直径が約15cmなので、その中のすっぽり収まるものならば、はんごうの中に入れてキャンプに持っていける!と思い、とにかく丸形はんごうに収納できる大きさのものを作ることにします。
陶芸作品の形
器の大きさは決めたものの、形と使い道については悩みました。
まず思いついたのが、一人用の鍋や、旅館などで固形燃料とともに使われるフライパンがわりの器など、直接火にかける調理器具です。
しかし、自分で作った陶器が直火での使用に耐えられるか自信がなかったので、候補から除外して、料理をのせたりする器を作ることにします。
いつも持っていきたくなるような器を作りたいので、まずはキャンプでよく作る料理を思い返してみます。
凝った料理はできないので、天ぷらと炭火焼が多いですね。
どちらの料理にも必要になるのが、塩、つゆ、タレなどの最後の味付け。という事は、複数の味付けが楽しめるように、仕切りがついたタレ皿のようなものを作れば、キャンプでいつも愛用できそうです。
ここまで考えをまとめた上で、あとは陶芸体験の場で臨機応変に思いつきで対応することにして、本番に挑みます。
信楽陶芸村で、手ひねり陶芸体験
まずは職人の方が、わかりやすく説明しながらデモンストレーションしてくれます。あっという間に職人の手でコーヒーカップの形ができていく様子は、思わず見とれてしまいます。
私にも簡単にできそう!という気持ちになったところで、実際に作ってみます。
準備
席についたところで、目の前には粘土と手動ろくろが準備されています。
写真の粘土は6人分なので6等分したうえで、さらにそこから拳の大きさの粘土を切り出して、丸いかたまりにします。
高台(こうだい)を作ります
最初に、ろくろの上で器の底の部分を作ります。
丸いかたまりにした粘土を、ろくろの上に置いて、手のひらで叩いて、丸く押し広げていき、厚さ1cmほどにします。
少し厚すぎるようですが、数日乾かした後に、職人の方が削って綺麗な高台に仕上げてくれるので、ケチってはいけません。
次に高台の大きさを決めて、竹ひごで切り出します。
四角形やハート形など、好きなかたちでいいそうですが、私は丸形はんごうに収めたいので、迷わず丸く切り出します。
ろくろを手でまわしながら、直径を決めた位置に竹ひごをあてて、最初はしるしをつける程度で、徐々に深く切り込みをいれていきます。
窯で焼いたときに、外形は少し小さくなるそうです。
大きすぎて飯盒に入らなくなるより、小さいほうがいいと思いながら切ったら、ずいぶん小さくなってしまいましたが、このまま作業を進めます。
口縁(こうえん)を作ります
器には、高台と口縁の間に「腰」や「胴」がありますが、私がつくるものは平皿に近いと思われるので、いきなり口縁を作っていきます。
親指ほどの太さの紐のような形の粘土をつくり、先ほどの高台部のふちに沿って重ねて置いたら、境界部をつまむようにして、境い目がなくなるようにします。
仕上がりが危惧されるようなツギハギ感がただよいますが、これから綺麗にしていくので、ここは思い切りよく続けます。
紐状の粘土を2回くってけたら、私の用途には充分の高さの口縁になりました。
コーヒーカップなどを作る場合は、何度も重ねてつまんでいきます。
中の仕切りを付けてみます。
特に説明がなかったので、仕切りを付ける人は少ないのかもしれません。
コーヒーカップの持ち手の付け方と同様に、仕切りの壁を作って、水で溶かしながら付けていきます。
少し乾き始めたのか、口縁に発生し始めた細かいヒビ割れも水で溶かして埋めながら、全体の形も整えて完成です。
仕切りをつけたら、顔っぽくなったので、アドリブで目と歯形もつけておきました。
とりあえず完成
今回の陶芸体験は、家族で参加してきました。
事前の家族会議もなく、それぞれ違ったものを思いつきで作っていて、面白いですね。
職人の方が、苦労していると適切なアドバイスをくれたり、破綻しそうな時は少し手伝ってくれて、あっという間に綺麗に修正してくれるので、みんなで楽しむ事ができました。
30分強の体験時間で、全員完成です。
果報は寝て待て!
陶芸体験で作った作品は、数日にわたり乾かした後に、職人の方が高台を削って綺麗にしてくれます。
さらに信楽焼の色彩に(職人におまかせで)釉薬を塗って、窯で焼いてもらいます。
天候しだいで日数がかわるので、約60日から忘れた頃の間に、郵送で自宅に届きます。
なお、ここの陶芸体験は事前予約が必要ですが、大人数でも体験可能です。
グループ旅行の計画に入れて、親交を深めながら作ってみても面白いと思います。